
【はじめに】
私は、青年会議所は自己を磨く「修練の場」であると考えています。「修練の場」とは、仲間や相手と『切磋琢磨』することで自身を成長させる場です。『切磋琢磨』とは、仲間同士、互いに競い合い、励まし合って学徳を磨くことです。 私は、青年会議所に入会してすぐに同期入会のメンバーと一緒に事業構築の練習として青少年育成事 業を模擬議案として作成しました。青少年育成事業は東かがわ青年会議所の創立からずっと続いている 事業で、まずは事業の歴史を学ぶことから始まりました。そして、議案作成にあたっては背景から課題を見出し、解決方法を事業として構築するのですが、背景から課題を見つける作業が事業構築において最 も重要であり、私が思っているよりもとても大変な作業でした。インターネットで様々なデータを調べ たり、実際に小学校にアンケートを取りに行ったり、様々な情報を集め、それを吟味してやっとの思いで導き出しました。それが決まると次は解決策としてどの様な事業をするかを具体的に考えながら、様々 な資料の作成を行います。議案は、メンバーごとにそれぞれが違うテーマで作成していたので本当は自 分のことで手一杯のはずなのですが、一緒に作業する中で、議案作成の苦労がお互いに理解できるから なのか、議案を作成する過程で困ったことや、悩んだこと、迷っていることなどをお互いに相談しながら 議案の作成に取り組んでいました。 私は、青年会議所に所属してからずっと、お互いに刺激し合い、成長していける『切磋琢磨』を感じています。そして、この『切磋琢磨』の体験は今では仕事にも活かせています。だからこそ、多くの仲間と共に青年会議所の運動を学ぶことで人として成長できるのです。
【互いに高め合える組織づくり】
東かがわ青年会議所は、地域のことを考え率先して行動できる人の集まりと考える人が多いですが、そうではありません。入会してから様々な経験を経て、地域のことを考えられるようになる人がほとんどです。会員の中には入会後、地元でこども食堂を始めた人や花火大会を一から計画し実施するなど、多くの人を巻き込み、地域の未来を少しでも良くしようと行動できる魅力ある人へ成長しています。魅力ある会員を中心として互いに切磋琢磨し、高め合える組織を作っていきます。そして、組織を作っていく上で会員拡大も重要です。東かがわ青年会議所は、近年全国的に会員減少が進む中でも、ここ数年で堅調に会員を増やしてきました。会員を増やせた要因としては、退会者が少ないことが挙げられます。退会者が少ない要因もやはり、魅力ある会員を中心に活動をすることで新入会員であっても活動に自分なりの意義を感じ積極的に取り組めるような環境があるからです。魅力ある人を育てる環境が東かがわ青年会議所にはあります。これからも地域の未来を創るために、地域のことを考えられる志の高い人を増やして いきます。
【次代へ繋ぐ、創立40周年の敬意と感謝】
東かがわ青年会議所は、2025年をもって創立40周年を迎えます。わたしたちは、この節目を迎えるにあたり、これまで地域の為に尽力されてきた先輩方に敬意と感謝を表し、次代へと歴史を繋いでいきます。創立40周年のこれまでの東かがわ青年会議所の歴史を改めて学ぶ場を設け、シニアの方々から本年までの39年間の歩みを学び、東かがわ青年会議所ここに在り、と知らしめる絶好の機会と捉え、記念事業と記念式典を執り行います。 そして、創立宣言文にもあるように郷土を愛し同じ理想に燃える東かがわ青年会議所は、明るい豊かな地域社会実現のために果敢な挑戦を行い、地域の良き推進力となってきました。次代の旗手として志を高く、更なる一歩を踏み出していきます。
【東讃地域を盛り上げるどんと恋祭の実施】
東かがわ青年会議所が、実施するどんと恋祭は、昨年で14回目となり、東讃地域において知名度や認知度も高くなってきました。それは毎年、地域の多くの人を巻き込んで事業計画を行い、そして実施後に 事業の検証を行い次年度へ引き継いできたからです。このJC運動の根本にのっとった行動が、毎年少しずつより良いものにしてきました。しかし、そんなどんと恋祭にもまだ課題はあります。東讃地域を盛 り上げるために行っている事業ですが、まだ参加できていない地元事業者もおり、そういった事業者と連携していくことも重要だと考えます。また、将来の東讃地域を支えるであろう中学生、高校生などの若者と連携し、一緒に事業を行うことで将来、地域を担う若者にとって事業を体験できる場にしていきたいと考えています。本年は、東讃地域の若者たちを中心に力を合わせ、一緒に事業を行うことで、地元事業者や若者が成長できる場を提供します。
【思いやりを持つ人財育成】
近年、日本の幸福度は先進諸国の中で最低順位となっており、その大きな要因として他者への寛容さの低さが幸福度を大きく下げています。私は、他者への寛容さとは思いやりのことだと考えています。人は成長過程において自己中心的な考えや行動からだんだんと思いやりを持った考えや行動に成長していくと言われていますが、現在はこの過程が希薄になっています。思いやりとは自分以外のために気遣いをすること、相手の立場になって考え、思いを共有すること、相手が困っているときに助けとなる行動をとることです。そんな全ての人たちが思いやりを持つことでどんな未来が想像できるでしょうか。 きっと思いやりに溢れる明るい豊かな地域社会が生まれてくると思います。 東かがわ青年会議所は、思いやりを学べる場を提供し、地域に思いやりを持つ人を今よりも増やしていきます。
【真心を持って行う香川ブロック出向者への支援】
2025年度東かがわ青年会議所は、公益社団法人日本青年会議所四国地区香川ブロック協議会会長 及び運営スタッフを輩出いたします。青年会議所において出向とは東かがわ青年会議所の活動だけでは得ることのできない多くの出会いと経験があり、一年間を経たとき多くの成長とかけがえのない仲間を得ることのできる貴重な機会です。 また、出向者への支援として、ブロック事業に参加することで新たな知識が得られたり、出会いが生まれ、出向していない会員の成長も促すことができます。個人の成長が組織の成長であり、地域の成長にも繋がると信じ出向者への支援を真心を持って行ってまいります。
【さいごに】
誰しも青年会議所の運動・活動をする中で面倒くさいと感じたり、そんな時間なんてないと思うことがあるでしょう。しかし、何か自分を変えたい。夢や目標を達成したい。と、思ったから今もやり続けているはずです。 夢や目標に向かって努力している中で、苦しくなることもあります。苦しくて夢や目標のために行動を やめてしまうかもしれません。 そんな時に心を開き、お互いに励まし合える仲間が必要になります。青年会議所には同じ志を持った仲間が集まっています。仲間と共に『切磋琢磨』し、志を高く持ち、自己を大きく成長させましょう。
2025年度理事長 梶原 大介