理事長所信

 

2021年度スローガン
奉・徳・心
~奉仕し徳を積む心磨く~

はじめに

2019年12月より中国の武漢市から全世界に拡大したコロナ禍は、2020年10月現在、全世界で3200万人以上の感染者と92万人以上の死者を出し、日本でも8万人以上が感染し、死亡者数1536人に上っています。我々が住み暮らす香川県でも感染者と死者が出ています。未だに明確な治療方法がなく、治療薬、ワクチンに関しても開発途上であり、コロナとの戦いは未だ出口が見えないのが現状です。
東かがわ青年会議所の活動・運動も多くが行えなくなり、緊急事態宣言の際には外出もままならなくなりました。しかし、ぽっかり空いた時間のなかで、私はこれまでの人生や、地域を見つめ直す機会ができました。
私は東かがわ市で自転車店を営む一市民です。近所の皆さまに愛される地域密着型の店を目指し日々経営について勉強しながら、自転車に関する知識と技術を磨いています。
大学を卒業し、故郷に帰ってから、東讃地域の状況は目まぐるしく変化しました。2000年から2020年にかけての人口減少率は19.1%と人口減少に歯止めが効かず、高齢化率は東かがわ市43.3%、さぬき市37.6%と県内で最も高い状態であります。
子供たちの楽しく遊ぶ声も失われ、高齢者の会話にも覇気が感じられず、働き盛りの人たちも沈んだ感じで、このような状態が進めば、間違いなく日本の地図上から東かがわ市とさぬき市の名前は消えてしまい、高松地域の一部になってしまう・・・。市の広報を開くたび思うことですが、出生欄よりもお悔み欄の方がはるかに大きいのです。高齢者が亡くなるのは自然の摂理ではありますが、出生数が少ないことが問題であって、ライフスタイルの変化はあるにせよ、そこまでこの地域に若者を定着させる魅力がないものかと愕然としています。さらに2020年初頭に発生したコロナ禍によって、地域経済は大きな打撃を受け、地域の祭りなどの行事も軒並み中止になり、地域内での人と人との繋がりも失われてきています。
地域を変えていくためには、我々が今まで実施してきた運動だけでは難しいと感じます。だからこそ今、スローガンとして「奉・徳・心 ~奉仕し徳を積む心磨く~」を掲げました。
「奉仕」とは、見返りを求めず地域に尽くす行動、「徳」とは、地域社会に価値のある人格的能力を指します。人は誰でも利己的な心を持っています。しかし、それだけでは自分を良くすることも、地域を良くすることもできません。時には一見なんのメリットにもならないと思うことにも、注力することが必要です。しかし、こうした姿によって、「徳」を積むことができます。見返りを求めず努力する姿を見て、周囲の人たちはどう思うでしょうか?決して悪い印象は持たないはずです。「奉・徳・心」を掲げて行動する我々は、必ず地域の人たちから愛され、信頼され、地域の担い手として成長していきます。そして、その行動は周囲の人たちにも伝播していき、地域は変わっていきます。コロナ禍の今だからこそ、この心を磨く必要があります。

地域の将来のための会員拡大と若者の心に火をつける資質向上

東かがわ青年会議所は、創立宣言文にあるように「明るい豊かな地域社会の実現」のためにこれまで様々な運動を行い地域に貢献する人たちを増やしてきました。東かがわ青年会議所は、地域の課題に目を向け、その解決のために行動する若者を1人でも多く育てる「学び舎」です。
この地域には、数は少なくなったとしても、この地域に根差して生きる若者、根差そうとしている若者がいます。こうした人たちが集い語らい、行動を起こすことを通じて心を磨き、人間として成長する場が青年会議所であり、そこから地域の明るい将来が開けてきます。
この地域には、多様な価値観を持った若者がいます。しかし、そうした価値観が触れ合う場はそう多くはなく、地域の若者どうしの繋がりも希薄な部分があります。1人だけの力で人間が成長することはありません。多様な価値観に触れ、時にはぶつかり合うことで、心が揺さぶられ、心が動くからこそ、自分を変えようとする行動に繋がります。そのときに必要となるのが「奉・徳・心」を掲げて行動することです。自分が良くなることで周囲が、そして地域が良くなるという原体験は、人を大きく成長させていきます。さらに価値観の違いを超えた友情、ひいては結束力も生まれ、地域で暮らすことへの喜びが高まってきます。東讃地域に住む若者は少なくなっていますが、逆を言えば、1人の若者が変わっただけでも、地域に及ぼす効果は大きくなります。我々は、まずは自身が行動を起こすとともに、このように行動する若者を1人でも多く増やす必要があります。
いま、東かがわ青年会議所には、職業も、趣味も、収入も異なるメンバーが集まっています。そして、香川ブロック協議会、地区協議会、日本青年会議所本会、さらにはメンバーの家族やシニアメンバーとの交流など、地域、世代を超えて、多様な価値観に触れる機会に溢れています。そして、例会や、その事業の構築を通じて、人が成長できる場が多分にあります。
さらに、いま東かがわ青年会議所には、長年の運動、活動を通じて、豊富な経験と熱い心を持ったメンバーが集まっています。40歳で卒業するという青年会議所のルール上、卒業する同志の生き様を学び、その足跡を繋いでいくことも重要です。青年会議所の地域に対する役割や、地域に奉仕し、地域を愛する心を学び、個々が人間としてレベルアップしていけば地域の明るい未来が見えてきます。
2021年度は、メンバー同士が学び合うことで、地域に貢献できる人間に成長できる機会を作っていきます。そして価値観を共有した友情、結束力を高める場を作り、東讃地域に暮らす喜びを感じてもらえるようにします。メンバーを増やしていくことが、地域の将来に繋がる。その心を持って、1年間歩んでいきます。

地域を揺り起こす震源

東かがわ青年会議所は、東讃地域の活性化のため、「どんと恋祭」や「とむソーヤキャンプ」などの公益事業を開催してきました。毎年、地域の課題を抽出し、その解決のために、地域の行政、団体、企業の皆様にご協力頂きながら、様々な事業を行なってきました。私自身、入会してから多くの事業に関わる中で、地域の課題に向き合うことの大切さ、難しさ、そしてそれを超えたところにあるやりがいを感じてきました。そして、2020年度より、次世代の若者を東讃地域と繋げていく取り組みとして、若者と東讃地域の企業・個人のビジネスコミュニティ「イチマエ」の設立を支援し、これまでとは違う新たな切り口で東讃地域に新たな風を起こそうとしています。
これらを通じて強く感じたのは、地域の課題解決には、時代や社会の流れを敏感にとらえて地域へ新たな激震(インパクト)を与えることの重要さです。地域課題の解決のために、今、東讃地域に必要と考えているのは、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の導入です。これは、2030年までに、17の目標、169のターゲットを達成し、世界にある多くの課題を解決しようというもので、日本でもその目標達成に向けた取り組みが行われ始めています。「誰一人取り残さない社会」の実現を目指すSDGsの推進は、奉仕し徳を積むことのできる要素を多分に持っています。
ニュース報道等で目立つものは、「飢餓」や「環境」といった、発展途上国向けの取り組みですが、人口減少や経済の衰退など、東讃地域にも大いにあてはまる地域課題の解決も謳われています。私たちの地域の課題をSDGsの視点から捉え、その解決に向けた取り組みとして実践することで、全国、あるいは世界的な共感や理解、さらには協力を得ることが可能になります。
しかし、まだ東讃地域でSDGsの重要性を認識している人は少ないのが現状です。東かがわ青年会議所では、2019年度より、全ての事業をSDGs達成に向けた事業として行ってきました。また、(公社)日本青年会議所では、日本でも先駆けて、2015年よりSDGs達成のための事業を積極的に行ってきており、我々も早くから学んできました。持続可能な東讃地域を築くため、SDGsの重要性を地域に広めていくのは私たちの使命だと考えています。
2021年度、我々は、SDGsのゴールナンバー「11、住み続けられるまちづくりを」軸にその他のゴールナンバーをかけ合わせ、なおかつ的確なパートナーシップを結び事業を行うことによって、新たなインパクトをおこすことが地域の課題解決につながります。そのためにメンバーで改めてSDGsを学び直す機会を設けます。その後、その重要性を市民の皆様に知って頂き、東讃地域の課題を、SDGsのゴールに立って考える団体、企業の皆様を、1人でも多く増やしていくための公益事業を実施します。
SDGsが地域に浸透することにより、現在地域の団体や企業が行っている取り組みは、SDGs達成に向けた形にアップグレードされ、地域内外の共感、協力を得ながら、より高い成果を上げられていくものと信じています。また、SDGsは地域の未来を担う子供たちと周りの大人たちを巻きこみSDGsを震幅ように地域に伝播もする事業を構築します。

地域との絆再生の物語

治療薬、ワクチンが開発、量産された後の「コロナ後(Afterコロナ)」の世界は、どうなっているのか、誰もまだ分からない状態です。しかし、コロナ前の世界にはもう戻らないのは確実です。コロナ禍により、これまで当たり前だったことが、当たり前ではなくなりました。特にオンラインでの会議や集会が普及し、わざわざ遠いところまで行かなくても、様々な人と話したり、知識や情報を得たりすることができるようになりました。また、これまで契約、出勤に用いられた押印もネットや専用回線による電子契約に移行しはじめ、学校でもオンライン教育など、新たな流れが起こっています。これまでの価値観が大きく変わり、都市部から東讃地域へ移り住む人、多拠点で暮らす人も我々の身近に現れています。我々は、時代の流れを読んで前を向いて変わっていかなければなりません。ホンダ創業者の本田宗一郎氏は、こんな名言を残しています。「人間は楽しんでいる時、最高の力を発揮する。」コロナ禍の今だからこそ、生まれた新たな流れを掴み、これからの地域の将来を考える楽しさがあるではないでしょうか。我々は、現状を悲観することなく、新たな時代を築いていく1人なのだという自覚を持って、歩んでいかなければなりません。コロナ禍により、様々な事業や行事が中止になり、東かがわ青年会議所と地域の人々との絆が弱まってしまいました。しかし、このまま立ち止まっているだけでは何も変わりません。まずは、「Withコロナ」の現状下でも、東かがわ青年会議所は前を向いて運動することが新たな答えを生み出します。小さいことから、地域に奉仕する取り組みを行うことが必要です。また、オンラインの導入は、今後全ての業種、分野で進みます。東かがわ青年会議所もこれまでの会議や例会も新たな方法を用いて開催します。我々が率先して運動を行うことで、地域の人たちとの絆は、少しずつ再生していくでしょう。我々は常に地域を思い地域のために運動を展開します。

さいごに

私は我が弱く、周りの顔色ばかり気にして、自分の意見を言わず、とりあえずその時間が過ぎればいいという姿勢で臨む委員会、会議。そこでも長年こびり付いた逃げの姿勢が何度も姿を見せる始末、言葉では変わりたいと言い続けても行動に繋がらない、それは本気で思っていなかったからです。一年は人によっては長いと感じることもあればまた、その逆で短いと感じることもあります。
しかし、時間は誰にでも平等です。だからこそメンバーには自分の解決すべき課題を見つけ真剣に向き合い解決することの重要性を学んで成長してもらいたい。そして、一人ひとりのその姿勢が一年後東讃地域を魅力ある地域にかえていけると信じています。SDGsを地域に根付かせることによりこの地域の核心の部分を変えていきます。
我々が住み暮らす地域を本気で変えて行くための第一歩として、まずは自分自身が変わらなければいけません。そのことを教えてくれたのは同じ目的を持った仲間であり、悩み立ち止まった時、手を差し伸べ𠮟咤激励し背中を押してくれたのも同じ仲間です。だから私たちは本気でこの地域を想い自分を変えたい仲間とともに心磨き誰かのために尽力出来る人に成るために日々、奉・徳・心を胸に臨んでまいります。