理事長所信

はじめに

 『無駄』と聞くとみなさまはどういうイメージを持ちますか。
辞書にはこう書いてあります。役に立たないこと。それをしただけの甲斐がないこと。無益。この行為・行動は明らかに非効率であり、どう見てもプラスには感じられません。2020年からの新型コロナウィルスにより、様々なものが変化を強いられました。会議のデジタル化など効率があがり大きく進化しているものもあります。さらに世界的に長期に渡る景気及び経済の低迷もあり、無駄を無くそうという意識が高まっているように感じます。
 『無駄』を無くすことは重要であるのはもちろんですが果たしてその全てが無駄なのでしょうか。非効率や無駄が生み出すものもたくさんあります。例えば最近ではウェブ会議や在宅勤務が常識的になってきています。それにより移動時間という無駄が無くなるという見方もできますが、一方では会議時間の前に現地でコミュニケーションをとることが出来ていた時間や食事や客先に移動しながらのコミュニケーションの時間は失われてしまったという見方にもなります。
 私は前職が自動車販売店の営業でした。自分が車を販売したお客様が立ち寄られると店内で過ごしてもらっている間に洗車を必ずしていました。これも1円も生み出さないので一見、『無駄』なのかもしれません。しかしそのお客様が友人を紹介してくれたり、感情が芽生えて更なる利益を生むとなるならばこれは決して無駄ではありません。効率化は素晴らしいものですがそれにより失われる機会もたくさんあると感じています。
 青年会議所は何度も会議を重ねて物事を決定していきます。そしてあらゆる機会を提供し面と向かって人間関係を構築し、たくさんの行動をしていくのです。そこにはたくさんの時間が必要ですがその積み重ねが地域の未来につながると信じ、我々が地域の将来を担うリーダーとして自覚を持って挑戦していきましょう。

他団体との交流や会員研修を通じた組織力の向上

 ここ数年、会員数の減少が全国的に深刻な問題となっています。それは当青年会議所も例外ではなく、30名を下回った状態でのスタートが当たり前のようになっています。研修が大事だとか活動に対して前向きになることが大事だとか効率よく会員拡大を行いたいなど考えは様々ですが、大事なのはまずは『無駄』も承知で行動を重ねることです。その中で必ず仲間が増えていく、人が集まってくるような魅力的な人間が集まった組織にならなければなりません。
 Jayceeとして礼儀礼節を重んじて尊敬されるような人間にまずは全会員が成長すること。そんな人間の多い組織には必ず人が集まってきます。そのためにたくさんある他LOMとの交流や青年会議所以外の地域団体からも学ぶべきものはたくさんあります。積極的に他LOMや他団体との交流を図り、会員拡大と会員の資質向上につなげてまいります。

地域に恋する市民を増やす運動の実施

 昨年で13回を数えたどんと恋祭は単なる賑わい事業ではなく地域と真摯に向き合った運動です。この地域の活性を願う我々の思いを実現するには今一度、主催者である我々が笑顔で心から楽しみ、地域の活性を願い、地域の皆様が笑顔になれる場を提供したい。
 継続事業となったどんと恋祭ですが昨年、私は実行委員長をさせていただきました。開催に至るには計画や賛同者を集めたりするのにたくさんの時間が必要です。しかしその時間や行動が報われる、達成感を感じられたのは来場者や関係者の笑顔でした。
 笑顔溢れる地域は、今は衰退していると言われていようが未来があると思いませんか。若者が力を合わせて地域のために笑顔が溢れる場所を作り、地域の明るい未来へと繋げてまいります。

豊かなこころを持つ人材の育成

 子供たちは地域の宝です。今の子供たちが大人へと成長していく中で我々が子供の時には想像もできなかったようなことが起こっています。学校に行かなくても画面越しに先生からの授業を受けられる。感染症拡大により運動会ができない。学校に行きたくても行けない。このようなことが起こることが想像できたでしょうか。
 豊かなこころを育むには他者との関わりや社会、自然環境の中での様々な体験活動を充実させることが重要です。そんな経験を積み重ねることができる幼少期に今でも学校生活では少し制限がかかってしまっているのが現状です。そんな時代だからこそ我々が行うとむソーヤキャンプではたくさんの経験をし、他者と関わり、非効率とも捉えられるようなこともそれを積み重ねれば未来につながることを学ぶ機会を提供します。

同志として誠意を尽くした出向者への支援及びブロック大会への参加

 今年度、当青年会議所は第54回香川ブロック大会を主管させていただきます。2019年に第49回香川ブロック大会を主管した以来の開催になります。当時、入会していなかった会員も多数いるため大会の企画運営から当日までを通し全員が一致団結し一人ひとりの成長にもつなげられる大会にします。
 また主管させていただくことを絶好の成長の機会と捉え、積極的にブロックの事業にも参加・動員をしてまいります。

創立40周年に向けた一体感のある組織の実現

 東かがわ青年会議所は2025年に創立40周年を迎えます。会員数の減少ももちろんですが、在籍年数の浅い会員がほとんどとなってきています。また新型コロナウィルスにより、先輩諸兄との関係も以前に比べ希薄化してきてしまっているのも事実です。そのことから先人の想いを十分に理解できないまま青年会議所運動を進めています。
 創立40周年を迎えるにあたり今一度初心に立ち返り、東かがわ青年会議所の存在意義を見直す必要があります。これまでの歩みを振り返りその受け継がれてきた想いを形にしなければなりません。
 たくさんの実績を積み上げてきた歴史を学び、それぞれの想いを語ってもらう場を設え、現役、シニアがより一体感が高まった組織で創立40周年を迎えられるよう準備してまいります。

さいごに

 たくさんの『無駄』は行動に移したことにより生まれます。まずは考えることよりも行動していくことこそが我々青年がすべきことです。思い切って行動に移すことを1年間意識し続けましょう。

意識が変われば行動が変わる。
行動が変われば結果が変わる。
結果が変われば人生が変わる。

 我々が住み暮らす地域のため、未来ある子供たちのためにしっかりと行動し意味のある『無駄』を積み重ね、明るい豊かな地域を共に作っていきましょう

2024年度理事長  西應 俊介